〜 自転車遊び利用促進実証実験2007・年末報告 〜

自転車遊び総合研究会(転有研)では、「Bike is Good!」をキャッチフレーズに、日本の風土に合ったみんなで楽しめる自転車遊びを探りつつ、自転車でも安心して走れる場所を増やすことを目的とした「実験企画」を2005年春より実施しています。その「自転車遊び利用促進実証実験2007」の活動報告です。

今年は「もえぎ&もみじのラリーデイ」、「さんいん1300実走調査」、「10月連休ダブルブッキング」、「富士見町での試行錯誤」などが足跡と言えるものでした。

「もえぎ&もみじのラリーデイ」では、延べ18会場で200名以上の参加者を集め、完成度が若干高まりました。

「さんいん1300」は、当初計画より紆余曲折がありながら、お盆の猛暑の実走調査で、企画の練り直しの必要な部分が見えてきました。

10月連休は、「しものせきサイクルマラソン」と「小海MTB24時間マイティデューロ」を、同日開催することになり、関係者やスタッフのご理解、ご協力のもと、なんとか切り抜け、可能性の再発見もありました。

富士見町では、夏の「シマノバイカーズフェスティバル」で世界初のツーリングエンデューロを実施した一方、秋にはとれとればいく07〜08シリーズRd.1「信玄道隠し」のSS1として、ハイレベルのTHT26の準備をしながら雨天中止となり、不完全燃焼でした。

詳細は後半をご覧いただくとして、2008年の仕込みを既に始めています。今後とも宜しくお願い致します。

2007年12月14日/イシマルヒデアキ(転遊研企画担当)

 

 

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〜4J2007の足跡〜

自転車遊び利用促進実証実験」では、「ツーリング」「レース」「スクール」「イベントカレンダー」「ネットワーク」の自転車遊びの五つの要素を、「ラリーレイド」「ポタリング」「エンデューロレース」「ファストランツーリング」の4つのカテゴリーで具体化したものを足跡としています。これだけでもややこしいのが想像できるでしょう。これが自転車遊びの複雑さであり、さらに、走行マナーや駅前駐輪の問題も絡むと、収拾がつきません。

 

もえぎのラリーデイ・・・「横須賀」「奥出雲」「彦根」「岩国」「諏訪」「下関」「奈良」「大阪」「小倉」の9会場で実施。横須賀、彦根、岩国はプレ大会からの連続開催。下関(菊川)や諏訪では20名以上を集め、企画内容は定着した感じだ。また、TOJ奈良ステージとのジョイントも実現した。しかし、会場によって参加者が伸び悩んだのは、地元への広報や独自PRの不足と思われる。

 

時めぐり萩・・・観光協会レンタサイクル業者タウン情報誌の協力を得て、さらにスポンサーとして、城跡ながお萩焼いとう異人館岩崎酒造アキコーポレーションに付いていただき2週間の期間実施をする。情報誌を見た参加者やリピーターが居た反面、ターゲットとした観光客の反応がいまひとつだった。改良の余地あり!

 

★ツーリングエンデューロ・・・“オールマウンテン”というカテゴリーに合致したツーリングメニューとして、リエゾンとスペシャルステージ(SS)を組み合わせた一般道を走るスケール感のある内容を提案したが、「とれとればいくと同じ!」と言う批評もあった。また運営面で準備不足もあり、終盤(ELや集計や表彰等)の運営がスムーズでなかった。しかし、リエゾンで仲間と走り、SSで真剣勝負というコントラストと、制限時間クリアの達成感は参加者の興味をひいたようだ。    ※オフィシャルレポート ⇒ ShimanoBikers2007reportTuED

 

さんいん1300・・・ナショナルブルベの再構築を模索しているが難航中。その中で世界に通用するロングライドを考えた場合、交通量が少なくてエスケイプルートも確保できる場所として、山陰地方に着目。今回は大津から松江経由で下関までの片道だったが、京都または下関発着の往復コースを考えている。また猛暑のお盆時季の実走調査で感じたのは、時季をずらすか、夜間走行励行で実施するかで、企画の練り直しは必至だ。

 

★しものせきサイクルマラソン・・・11月の氷雨だった昨年を反省し、コースと募集メニューは同じに、実施時期、運営体制、会場、定員などを見直した2回目の開催は、前年以上の盛り上がりで無事終了。その中の下関◆自転車さんぽは、初心者の女性や、ファミリー参加に好評で、100名規模の運営が経験でき、完成面と改良面の両面が見えたエポックメーキングな出来事だった。(大会全体についてもそれは言える。)

 

小海MTB24時間マイティデューロ・・・実施日の決定が遅れ、また企画担当不在という運営体制、さらに他に3大会も24時間が行われるという状況の中、若干の不安があった。しかし、参加チーム数は低値安定ながら参加者数は微増で、スタッフも心強い常連がそれなりに仕切った。そして企画担当が雨雲を連れて下関から到着したが、参加者、スタッフ、地元関係者とも想定内だったと言い放った。2008年に向けてはファンドの強化とPR方法が課題だが、24回を目指して企画内容の強化を図らねば。。。。

 

信玄道隠し・・・昨年に引き続き、八ヶ岳と入笠山に挟まれたエリアでの開催。そこで暖めていたTHT26のハイレベルバージョンをついに実施かと思われたが、雨天断念!その雨の中を文句も言わずに走り、地図一枚でフィニッシュまで辿りつくライダーの凄味を改めて感じさせられた。サブカルチャーで甘んじても良いので、“地図を読み山道を辿るルート探しサイクリング”用のハイクオリティーな“道”を今後も提供して行きたい。

 

もみじのラリーデイ・・・「雲南」「八雲」「諏訪1」「諏訪2」「大阪」「彦根」「柳井」「東京1」「東京2」の9会場で実施。準備でバタついたためか、参加者の凸凹が目立った。それでも常連参加者の支持や、柳井の50名参加、東京のエリア的な優位さなどが前向きな材料としてあったのは成果と言える。面白いと好意的なブログもあるが、PRが下手との厳しい意見もあり、可能性を確実性に変えるには地元密着の運営チームをもう少し増やしたいところだ。

 

★雑感・・・2004年秋、長距離ツーリングやフォールディングバイクへの注目が高まり、また環境、健康、都市交通などの側面で自転車が支持され、サイクリング人口も増えていると思い、2005年春に、いつでも、どこでも楽しめる、100キロメートルを100回走ろうという「100×100」を仕掛けるが、見事企画倒れ。何故?? その答えのヒントは自転車雑誌編集者との会話や、メーカー担当者への協賛依頼時の取材、さらにイベント主催者との情報交換などで見えてきた。(*イベント参加でしか自転車に乗らない。 *ヨーロッパ高級ブランド生産台数の3割が日本で売れている。 *行事には参加するがクラブには属さない。等々) それらの現象が間違っているとは思わないが、この平成の自転車ブームをブームで終わらせる可能性は高いだろう。

 

一方、100×100を立ち上げる際に指摘された、「100kmは初心者には無理」という言葉通り、そこから派生した距離設定が15〜30kmの「自転車さんぽ」は、企画者の想定外の展開を見せている。それは“わらしべ企画”とも言える、色々な人からの突っ込みや提案、そして参加者の幅広い顔触れだ。確かにロードレーサーの走り屋やママチャリ参加の母子が勝ったり、そのエリアを熟知した老サイクリストや戦略を練ったグループ参加者が下位に沈んで負け惜しみを言ったりと、偶然性が優先される逆転ゲームはかなり面白いようだ。

 

そこでスタイリッシュな自転車に注目の集まる平成の自転車ブームだが、自転車の2次効果(環境に優しい、健康増進、都市交通再生など)への過剰な期待と言っても過言ではないだろう。そのため、自転車に乗ることを楽しむ1次効果(サイクルスポーツ全般)へのソフト供給面で、迷走状態が透けて見える。

 

ソフト供給という意味で、マニア向けの「とれとればいく」や「ナショナルブルベ」は、好きな人達がそれなりに育てて行くと思われ、私もそこで存分に遊びたい。しかし、車種年齢性別に関係なく楽しめる「THT26地図あそび◆自転車さんぽ」は、育て方によってはソフト供給の救世主となる可能性がある。その育て方は、皆様からの新たな突っ込みや提案、運営協力が肥やしとなるのは間違いない。具体的な着地点のひとつとして、自転車さんぽ発案の遠因となった某自転車メーカー役員の理想、春需に合わせた全国同時多発自転車スクールの可能性への道筋が薄っすらと見えてきたような気がする2007年の活動であった。

 

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